【本の感想】憂鬱でなければ、仕事じゃない
著者の2人、特に見城さんは熱くて、泥臭くて、ドM。
言葉が、刺さるわ刺さるわ。
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パーティーには出るな
切らして渡せなかった名刺は速達で送れ
天気の話でコミュニケーションを図るホテルマンは最低である
初対面の相手と、カラオケには行くな
ワインは、働く男の「血」である
みたいな極端系は、ちょっと笑ってしまうけど解説を読むと納得する。そして見城さんの真面目さに、自分を省みる。
もし誰かが、上手くいかないと嘆いていたら、「君は身体を張ったのかい?」と問いたい
これはあとがきにあった言葉。
ふもとの太った豚になるな 頂上で凍え死ぬ豹になれ
憂鬱でなければ、仕事じゃない
天使のようにしたたかに 悪魔のように繊細に
極端こそ我が命
良薬になるな。劇薬になれ
無謀を演出して、鮮烈に変えよ
この辺はもはやミニシアター系映画タイトル。
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一番刺さったのは
麓の太った豚になるな、頂上で凍え死ぬ豹になれ
…かっこ良すぎな。
その意味するところもさることながら、言葉の美しさ。
「キリマンジェロの雪」というヘミングウェイの短編にある一節
キリマンジェロは、高さ19719フィートの、雪におおわれた山で、アフリカ第一の高峰だといわれる。その西の頂はマサイ語で、”神の家”と呼ばれ、その西の山頂のすぐそばには、ひからびて凍りついた一頭の豹の屍が横たわっている。そんな高いところまで、その豹がなにを求めて来たのか、いままで誰も説明したものがいない。
ここから見城さんは、
頂上を目指し、そこに到達し、死にたい。
ぬくぬくと飼いならされたふもとの太った豚にはなりたくない、
と思ったそうな。
この本バイブルになりそう。
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次に読む本
ちきりんのおすすめ本。楽しみ。